『2014年 最新版』 佛教大学通信教育課程の合格済みレポートです。
●図書館で資料を集めてから作成。参考文献も記載しています
●文章構成やレイアウトにも気を配りました。
●設題の意図を正確に捉え簡潔にまとめています。ぜひ参考にしてください。
第一設題 『小説神髄』の「緒言」を読み、坪内逍遥が『小説神髄』を執筆するにいたった経緯についてまとめよ。
はじめに
「小説神髄」は、1885-1886年に書かれた坪内逍遙による、日本初の小説論である。「小説神髄」は上巻下巻から成る。上巻では有形と無形の美術を述べた「小説総論」から始まり、西洋東洋の名編を紹介する「小説の変遷」、さらに「小説の主眼」「小説の種類」、ノベルのメリットを説いた「小説の裨益」が収められており、下巻では「文体論」「小説脚色の法則」、時代小説と歴史の相違を述べた「時代小説の脚色」、「主人公の設置」「叙事法」という構成である。またそのほかに関連の深いものとして「小説文体」など初期評論の五編も収録されている。逍遥は、文学には独自の価値があるとし、その発展した形が小説であると主張。写実主義の立場から、小説の主眼は人情と世俗風俗の描写にあると唱え、同時代や後代にも大きな影響を与えた。
明治という文学が盛んであった時代にあえて書かれたこの作品は、どのような経緯があって書かれたのであろうか。日本文学史を辿りながら、坪内逍遙が「小説神髄」を執筆するに至った経緯をまとめる。...