M6702、仏教文学のレポートです。
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『三国伝記』巻十二第三「恵心院源信僧都事」における唱導文学的特徴いついて述べよ。
唱導文学
本論では、『三国伝記』巻十二第三「恵心院源信僧都事」を例に、説話文学と密接な関係のある唱導というものの把握をすることが目的となる。まず、本節では、唱導文学がいかなるものであるか、定義について考えたい。
教団外部に、仏教を広める法会という形がとられた。法会とは、「法要、法事、仏事などともよび、一定の日時・場所および人で行う仏教的儀式をい」う。唱導といった場合、法会の成り行きをすべて含むものであるが、表白・願文・諷誦・説法が中心となる。
安居院流の『法則集』においては、表白と願文が予め用意された文章を抑揚などに注意して読み上げることを重視したの対して、説法の内容を指す因縁法門は当座の聴衆に合わせる配慮が求められている。
説法は、仏教の教えを広めるために、因縁譚や縁起をもって具体的に語られた。仏教の教えを具体的に語ることで、俗人に対する説教においては、特に効果的であった。そのため、僧侶は数多くの具体例を保持している必要があった。
『今昔物語』などの説話集が仏教に関する説話を多く取り...