就労の一次的な意義は、労働の対価として報酬を得る、という物理的な側面が大きい。一方で、労働の対価としての報酬は、就労への外発的動機づけを喚起させることに繋がる。加えて、二次的な意義は、「対人関係につい等、貴重な社会的活動体験できるというものである。これらの就労の意義の多くは、客観的に認識できるものであろう。
他方、就労は、主観的な意義を有する。内発的動機付けが生まれたことによる精神的な側面での価値、自己有用感を見出す場合である。このことは、逆説的に捉えれば、自己有用感を得るためには、就労の形態として、必ずしも一般就労に限定されないともいえる。なぜなら、地域生活支援を構成する要素のなかの「職」とは、広い意味での活動を指すものだからである。このことから、精神障害者が就労によって精神的な面で充実感を得るためには、①活動が等身大であること②活動が社会参加を伴うものであることが重要であり、精神障害者がこれまでの自分自身の社会経験を活かすことで、自分が社会で生きている、と実感できることが前提となる。またその中で、当事者の働きたいという言葉の意味(ディマインドとニーズの見極め)を①動機②働くイメ...