私は今まで、人の心理的・精神的な面について興味を持っていたものの、専門的な学習をしたことはなかった。この度、精神保健福祉士を目指そうとしたことには、大きく二つの理由がある。
一つ目は、単純にその資格をもって専門職に就きたいという思いからである。ただし、実際にどの様な業務を行うのか、求められるスキルは何か、を充分に把握できていたとはいい難く、漠然としたイメージしか持ちきれていなかった。そして、本当にその専門職として働いていけるのか、不安・疑問があったのも確かである。
二つ目は、自分の生い立ちや、自分と深く向き合うことを始めたことで、人の見え方や人の心の動き方、感じ方にそれまでと大きな違いが見えるようになってきたことが大きい。当時、限界集落で働きながら、風土・文化・人々の生活様式や価値観の違いに触れ、また、都市部で過ごしていたそれまでとは違い、地域で毎月数名の方が亡くなっていっていた。そのように人の死が身近にあったことが、自身のことを振り返っていくきっかけになった。
振り返りの中では、かつて私の母が精神科に入院したり、長期通院していたこと(具体的な病名は不明)や、その中での家族とし...