一般的に、周囲との関係性の構築が得意でないという障害をもつ精神障害者のリハビリテーションでは、周囲の意識や態度が変化すること、つまり、「地域の環境因子」が、障害者が生活し易い「質」を確保するような活動であることが求められる。精神障害者が、社会的理由でいつまでも病院で患者として人生を送るのではなく、生活者として地域で生活できるような援助や保障が必要であるということである。
精神障害を持った者が、元々地域でしていたような自立した生活を送るためには、職業や住居問題等の解決が必須であり、職業リハビリテーション領域や福祉領域の活動が必要不可欠となる。リハビリテーションは訓練の一種であるため、訓練を受けるクライアント側が意思をもって継続する事が大切である。一方、援助者側には、訓練についての体系的な知識や技術に基づきクライアントを評価し援助方法を考え、それをクライアント本人や関係者に伝え、クライアントが判断するために必要な情報と訓練等の援助を提供することが重要となる。
精神科におけるリハビリテーションでは、専門職である精神保健福祉士(PSW)が、社会福祉学と援助技術を基盤とした精神保健福祉につ...