映画感想文、in a better world、デンマーク映画、スウェーデン映画
『繊細に語られた復讐劇』-『In a better world』(2010, デンマーク、スウェーデン)
‘あなたならどうする?’
アカデミー賞で最優秀外国語映画賞を獲得した『In a better world』は原作のタイトル名である「haevnen」とは意味が外れている。 原作のタイトルと翻訳されたタイトルは意味が間逆であるのだ。タイトルから見てヒューマンドラマ的な映画だと思いながら見たが想像とは違った。デンマーク出身の女性監督スザンビエルによる映画であり、タイトルはデンマーク語で復讐を意味する。この映画は我々に問いかけていた。あの状況であなたならどうするか。自分ならどうしたかと思っていた。そして、113分に渡る映画から最高の復讐は許すことだというメッセージを発していた。
この映画で対照的な立場にいる登場人物の描き方は面白い。医者であるアントンは妻とは別居中であって息子は学校でいじめられているにも関わらず、アフリカの紛争地域で医療奉仕を行っている人物である。彼は子供たちの前である男から何の理由もなく頬をびんたされる。彼はそれほどの価値があると言いながら反撃もしない。右をびんたさ...