法学Ⅱ
設問
違憲立法審査権が用いられて違憲とされた例を1つとりあげ、違憲とされた理由について検討しなさい。
ポイント
法令審査権の意義を述べるとともに、憲法の具体的条文との関係で1例を紹介し、どのような視点から、その法律(条文)が違憲とされたかを説明する。
キーワード
法令審査権、憲法裁判所、国家権力の抑制と均衡、法の下の平等
違憲立法審査権とは、法律や行政行為が憲法に違反していないか審査する権限のことであり法令審査権ともいわれる。日本では、憲法81条により、最高裁に最終的な権限が与えられていることから、最高裁は「憲法の番人」ともされていて、この規定により地裁や高裁も憲法判断できる。また、個別の法律などについて抽象的に憲法違反を訴えることはできないとされており、具体的な争いの中で合憲・違憲が判断される仕組みになっている。この違憲立法審査は2つに分類されていて、1つ目は「抽象的違憲立法審査」である。これは事件の発生があるなしに関わらず、裁判所が憲法適合性の判断を行うことができるという考えであり、2つ目は「付随的違憲立法審査」である。これは個別事件の解決の必要な場合において、裁判所...