連関資料 :: 更正保護

資料:2件

  • 更正保護が犯罪者処遇において果たす役割について
  • 更正保護が犯罪者処遇において果たす役割について 更生保護は、犯罪や非行に陥った者の改善更生を図るため、必要な指導監督、補導援護の措置を行い、また、一般社会における犯罪予防活動を助長することによって、犯罪や非行から社会を保護し、個人および公共の福祉を増進することを目的とする施策である。  更生保護は我が国の犯罪対策において重要な地位を占めるものであり、広い意味では犯罪者の社会復帰を促進するための公共的な活動一般を指すが、狭い意味では有権的(権力的)な更生保護である保護観察を除いた、任意的(非権力的)な更生保護を指すものと解されている。 我が国の現行更生保護制度が整備されたのは比較的新しことであり、1948年に新少年法によって少年に対する保護観察処分ができるようになった。また翌年には犯罪者予防更生法が制定され、恩赦、仮釈放、保護観察及び犯罪予防活動の助長に関する組織、少年及び仮釈放者に対する保護観察制度について規定が設けられた。そして、1950年には、更生緊急保護法の制定により、刑余者等に対する更生緊急保護制度の整備がされ、更には、従前の司法保護委員制度を新しい保護司制度に発展させた保護司法が制定された。その後、1954年に執行猶予者保護観察法が制定され、1958年には売春防止法の一部改正され、保護観察及び更生緊急保護に新たな対象者を加えることになった。  保護司とは、法務大臣から委嘱を受けた民間篤志家であり、身分は非常勤の国家公務員である。  保護司となる者の必要条件については、①人格及び行動について社会的信望を有すること、②職務遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること、③生活が安定していること、④健康で活動力を有すること(保護司法第3条)等である。  保護司の選考については、地方更生保護委員会の委員長が保護観察所長の推薦した候補者の中から、保護司選考会の意見を聞いて適任者を決定し、法務大臣名義で保護司の委託を行うという手続がとられ、任期は二年で再任を妨げない(同法第7条)とされている。また、保護司には給与は支給されないが、保護司活動の実費弁償はその全部又は一部について行われることになっている(同法第11条)。  保護司の定員は同法施行後も変化はないが、保護司の実数はここ十年間、4万9千人程度となり、定員に対する充足率は93%となっている。そのうち、女性保護司の数は全体の25.1%であり、保護司の平均年齢は63.0歳となっている。保護司の在職年数は長期化する傾向にあったが、2005年には在職年数10年以上が46%となり、職業別構成では、無職・主婦の増加と宗教家・農林漁業従業者の減少が指摘されている。なお、近年では、保護司の高齢化対策として、保護司の選任について、原則、新任時65歳以下、再任時76歳未満の年齢制限を設けている。 我が国の保護司制度に関しては、①老齢化が著しいこと、②専門的知識・技術に乏しいこと、③資質・能力が各人各様であること、④選出層が限定されて閉鎖的であること等種々の批判が挙げられている。  つまり、保護司制度に関する諸問題については、保護観察の実施体制に係わる運用上の諸問題と、社会変動に対応しきれないでいる制度自体に内在する問題とが相互に絡み合っていることである。 こうした問題に対する解決策として、①保護観察官を大幅増員し、保護司依存の体制を改めるよう努力すること、②保護観察官の執務態勢を抜本的に改革し、保護司への依存度を弱めながら、保護司を過剰な役割期待から開放する必要のあること、③保護司制度の内部改革を図る必要のあること等
  • 法律 刑事政策 レポート
  • 550 販売中 2008/04/07
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