「ソーシャルワーカーとして成年後見活動を行う上での留意点について権利擁護の視点から具体的に述べよ。」
Ⅰ.序論
成年後見制度、権利擁護は法律に関係する専門分野であり、従来、弁護士、司法書士等の専門家の領域であると考えられうるものである。しかし、高齢者、児童の虐待問題、財産上の問題などは、社会福祉の分野にも関係することであり、ソーシャルワーカーがその専門性を発揮する領域でもあり、他の法律専門家と連携して活動する分野である。すべて人間として持つべき権利を擁護し、適切な権利の実現と福祉サービスの選択に資することは社会福祉活動そのものであるからである。ソーシャルワーカーは、その福祉の理念や福祉援助技術を法的側面から根拠付けて理解し、その実践力を向上する必要がある。社会福祉士は法律家とは違った専門性を発揮できる可能性を持っているのであり、法的解決を目指すのではなく、福祉的観点を総合して法的な社会資源を利用することが望ましい。
Ⅱ. 本論
1.成年後見制度とは判断能力(事理弁識能力)の不十分な者を保護するため一定の場合に本人の行為能力を制限すると共に本人のために法律行為をおこない、または本人による...