精神保健学②

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    「精神保健における個別課題の取り組みについて述べよ。」
    Ⅰ.序論
     精神保健における個別課題とは、精神障害対策、老人性認知症対策認知高齢者対策、アルコール依存症対策、薬物乱用防止対、思春期精神保健対策、地域精神保健対策、司法精神保健福祉対策、ターミナルケアと精神保健
    である。本稿では、精神障害対策の取り組みの変遷と課題を中心について述べる。
    Ⅱ.本論
    1.精神障害対策
    精神病者監護法の制定(明治33年)
     日本の精神保健行政は、明治初期までは全く法的規制のないまま推移しており、精神病の治療は加持祈祷に頼り、大多数の患者は私宅に監置されていた。
     明治8年に公立の精神科病院として初めて京都癲狂院が設立されたが、財政的理由で廃院となり、明治12年に東京府癲狂院ができ、現在の松沢病院となった。
     明治33年(1900年)に患者の保護に関する最初の法律である「精神病者監護法」が制定されたが、治安要請の強い「私宅監置」を中心とした立法で監護の手続き等を定めていた。そのため、その後も患者の大半は私宅監置が続いていた。
    2.精神病院法の制定(大正8年)
     明治から大正になり、ようやく近代国家としての...

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