国文学講義Ⅴ(近代) 分冊2 2014 合格レポート

閲覧数1,888
ダウンロード数3
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    永井荷風の文学的特色を記し、代表作一つをあげて鑑賞せよ。
    合格レポートです。
    参考までにご利用ください。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    国文学講義Ⅴ(近代) 分冊2 平成25・26年報告課題
    <永井荷風の文学的特色を記し、代表作一つをあげて鑑賞せよ。>
     永井荷風の文学は、一見異質な二つの要素によって彩られている。荷風のフランス文学への愛着と、大震災以前、東京に生き残っていた江戸文化へのノスタルジアである。荷風は文学によって明治の日本における偽善と俗悪を嘲った。そのために、荷風がとった態度は、過去の文人に倣い偽善と俗悪の明治の世に背を向けることだった。後に荷風が戦争にいっさい協力しなかったのも、けっして正義感に基づくものでなく、俗で野蛮な世界への、消極的な抵抗の姿勢の表れの延長にすぎなかった。
    荷風が受けた漢学の教育は、彼に大きな影響を与えた。フランス文化にかぶれていた時期においてさえ、荷風の漢詩への興味は絶えることなく、漢詩の直截的な表現、漢文の簡潔さ、とくに日本の文章の漢文脈は、彼の作品に常に影響を与え続けた。
    広津柳浪の門下生として作家活動を開始した荷風は、明治三十年代半ばには小杉天外や小栗風葉とならんで、前期自然主義の雄としてその地歩を築いていた。『地獄の花』(一九〇二年)や『夢の女』(一九〇三年)は、この時期...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。