玉川大学通信教育学部「教育心理学Ⅰ」第二分冊 、2013年度のレポート課題です。(合格済) 参考程度にご覧下さい。
科目コード07815「教育心理学Ⅰ」第2分冊
近年青少年の不登校、いじめ、非行などが大きな問題となっている。家庭環境や個人の能力など、問題の根底にはさまざまな要因が考えられるが、多くの問題に共通するのが道徳性の欠如(道徳意識の弱さ)ではないだろうか。道徳性とは人間の生き方の基本的な価値観を方向づけるものであり、学校教育においても子どもの「生きる力」を備えた人格の形成にあたり、各教科や道徳の時間、生活指導の指導原理として重要な役割を担っている。
では青少年の道徳性の発達を促すにはどのような教育的指導が有効的か、コールバーグの道徳性発達モデルを基に考えてみる。
コールバーグはまず、認知の構造的変化に着目し道徳性の発達モデルを6段階3水準で提示した。彼は青少年たちに道徳的ジレンマを読み聞かせ、それに対する判断の構造の発達的変化を理論モデルに整理したのである。そこで道徳性に関する認知発達の基準として最も重視したのが「慣習」についての態度である。慣習とは「社会のきまり」であり、会社や学校の規則から家族のルール、友人同士の約束などさまざまであるが、そこには集団や社会に対する義務感、責任感が...