一年次の看護学校の課題レポート、2500字のものです。評価はAでした。どうぞ参考になさってください。
「看護学概論とは、『看護とは何か』を学ぶ講義である」。担当教諭が、初回の講義でそうおっしゃったことを覚えている。これまでの講義の中で、看護についての様々な書物や理論などを少しずつ学んだ。学んでいく中で、「看護という仕事はこんなにも幅広く難しいものなのか」という気持ちがどんどん大きくなった。私は看護というものをもっと簡単に考えていた。「患者の気持ちに寄り添う看護がしたい」、「苦しむ患者が少しでも楽になるように手助けがしたい」。それがどんなに難しいことであるか。私が、想像していたよりもずっと大きいものだった。看護という世界を海に例えれば、私が考えていたのは砂浜に押し寄せる波のほんの一部のことだけであり、視線の先に広がる地平線や、ましてや深海のことなど、思いをはせたこともなかったのである。
看護師の定義として、保健師助産師看護師法には「傷病者若しくは褥婦に対する療養上の世話または診療の補助を行う事を業とするものをいう」とある。ナイチンゲールは、看護とは「患者の生命力の消耗を最小限にするよう生活過程を整えること」1)であると記している。『あなたの声がききたい』の紙屋克子氏は、「人として尊厳...