「乳幼児の心理についてまとめよ。」
乳幼児は一方的に保護される状態にあって無力な存在にみえても、実はすばらしい認知能力が備わっているということが研究の結果、1960年頃から明らかになってきた。
主な研究として、心理学者ピアジェの思考発達段階説、精神分析学者ボウルビィの愛着理論、発達心理学者で精神分析家エリクソンの発達段階論が有名である。乳幼児期は、個性や能力の基礎がつくられる重要な時期とされ、この時期に大切なのは親と子が触れ合って、今後の生涯学習へつなげていくことである。以上について、乳幼児期における心理の発達過程に焦点をあて、上述した3者の学説に基づき述べていくことにする。
乳児期・・・生後1年ないし1年半までの期間をいう。短い期間であるが、人生の中で最も目ざましい発達を遂げ、後の心身発達の基礎となる重要な時期である。一方的に保護される状態にありながら、母親との一体感・相互信頼を体験する時期である。この時期の発達心理学における危機は、基本的信頼と基本的不信である。基本的信頼とは自分自身に対する安心感、信頼感である。それが得られないと基本的不信に陥り、他人や自分を信用できなくなってしま...