「家庭と地域社会における保育のあり方について述べよ。」
社会の変化や家族の多様化にともない、家族や地域の子育て機能が低下する中で、社会全体で子育てを支えていくという考え方が重要になってきている。子どもは家庭という環境の中だけで育つわけではない。本来、子育ての本質は地域社会の共同事業そのものであった。しかし、産業化、都市化、過疎化といった社会変化の影響を受けて、地域社会にコミュニティとしての機能が失われてしまい、子育てが家庭、親といった個人の問題として捉えられるようになってしまったのである。
現在の家庭と地域社会における保育のあり方はどうあるべきかについて以下に論及する。 1.家庭が与える子どもへの影響 家庭は、子どもが生まれて初めて接する社会である。子どもは家庭を中心として社会に適応するための知識や技術、社会のルールを学びながら成長していくのである。いわゆる「こどもの社会化」である。 したがって、子どもがうまく社会に適応できるかどうかは、家庭での保育力がきわめて重要なウェイトを占めているのである。
子どもは家庭で家族と一緒にいてこそ、くつろぐことができる。友達と付き合い、遊ぶことは...