「生活保護の種類と範囲、方法について述べよ。」
1950年、日本国憲法の第25条において「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と生存権を規定し、国が具現するための一つとして制定されたのが生活保護法である。生活に困窮する国民がその困窮の程度に応じ、必要な保護を行なうことで、健康で文化的な最低限度の生活の保障と、保護を受ける者が自立の助長を図っていくことを目的としている。
生活保護法は大別すると“国家責任による最低生活保障”、“無差別平等”、“健康で文化的な最低生活保障”、“保護の補足性”を基本原理として、保護を具体的に実施する際の原則(申請保護、基準及び程度、必要即応、世帯単位)が定められている。他に保護施設などについて、保護の種類と方法も定められている。以後、保護の種類と方法について具体的に述べていく。
生活保護法による最低生活の保障は生活費の性格により区分された8種類の扶助がある。
(1)生活扶助・・・最も基本的な扶助で、日常生活の需要を満たすための給付が中心として行なわれる。第1類(個人経費)は、食費、被服費などの個人単位で消費する生活費で、年齢別、所...