基礎年金と年金一元化に関する考え方の整理

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    資料紹介

    現行の公的年金制度の基盤は、高度経済成長期において、人口増加やそれに伴う経済拡大を前提条件として作られたものである。そのため、現在急速に進展しつつある少子高齢化は、社会保障制度自体の維持、とりわけ公的年金制度の継続に深刻な影響を及ぼすものと危惧されている。それは公的年金制度が、現在の受給者の年金額を現在の現役世代の納める保険料でまかなうという世代間扶養のシステム(賦課方式)をとっているからである。
    (1,795字)

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    基礎年金と年金一元化に関する考え方の整理
    現行の公的年金制度の基盤は、高度経済成長期において人口増加やそれに伴う経済拡大を前提条件として作られたものである。そのため、現在急速に進展しつつある少子高齢化は社会保障制度自体の維持、とりわけ公的年金制度の継続に深刻な影響を及ぼすものと危惧されている。それは公的年金制度が、現在の受給者の年金額を現在の現役世代の納める保険料でまかなうという世代間扶養のシステム(賦課方式)を採用している。
     現在、社会保障財源は現役世代が中心となって負担している社会保険料が6割以上を占めるが、給付面から見ると給付総額の7割近くを高齢者が受給している。これは少子高齢化が進展すれば、将来の受給者が満足な給付を得られるだけの財源が確保できないということである。今後の日本社会においては、確実に高齢化率が高まり人口も漸減していくと予想されている。それは、必要な年金額が増えることに加え社会保障の財源を担う現役世代が少なくなり、さらには経済そのものの縮小により現役世代の負担能力が下がってくるものといえよう。
     これら少子高齢化の進展や経済規模の縮小については1980年代には既に...

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