―1970年代からみつ施設の社会化に向けて―
「施設の社会化」に関しては1970 年代に議論がはじまり、それは福祉施設の閉鎖的運営といった潮流に対する警鐘であるものと理解している。特に、福祉施設における閉鎖的な運営が強く現れていたのは、所謂「入所型福祉施設」であり、同形態については地域住民や地域社会との関係がより一層希薄にしていたものと考える。
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「施設」を必要とするソーシャルニーズについての考察
―1970年代からみつ施設の社会化に向けて―
はじめに
「施設の社会化」に関しては1970 年代に議論がはじまり、それは福祉施設の閉鎖的運営といった潮流に対する警鐘であるものと理解している。特に、福祉施設における閉鎖的な運営が強く現れていたのは、所謂「入所型福祉施設」であり、同形態については地域住民や地域社会との関係がより一層希薄にしていたものと考える。公的介護保険制度が導入された現在に至っては、福祉サービスを「利用する」と表現されるが、介護保険施設など福祉施設においては依然「入所する」といわれ、収容的ニュアンスから十分脱却できないでいる。当時の福祉施設ほどではないにしても、現在も地域社会との関係については温度差がみられている。
介護保険制度が施行された2000 年と同時期に、社会福祉基礎構造改革による「地域福祉」を中心とした施策についても打ち出された。これにより、入所型施設においてはユニットケアや小規模多機能型施設などといった新たな概念による施設形態が導入され、施設が「地域福祉」の一端を担うという、「施設の社会化」へ向けた一石が投じ...