中学・高校における生徒指導の原理は何か、また、その際に留意しなければならないことは何か、説明してください。
生徒指導の概念とは、児童、生徒の人格を尊重しつつ、個々人の個性の伸長を最大限にはかり、総合的な人間完成をめざした教育活動であると生徒指導の手びきに示されている。つまり、生徒指導といえば問題行動や非行の指導、校則の遵守のための指導に思われがちであるが、それらは生徒指導の一部のであり、本来の姿は教育の全般に関与し、教育目標を達成するための機能のひとつなのである。教科指導が「知」の発達を担うのに対して教科外指導(生徒指導)は「徳」、「体」の部分の育成を意図したものであり、バランスよく指導することが重要なことである。
新学習指導要領では、基本的なねらいとして「生きる力」の育成をあげており、家庭や地域との連携の下、知識、技能に加え、自分で課題を見付け、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力を求めている。その取り組みとして、生徒指導の果たすべき役割は大きいのである。「生きる力」に則して、全生徒の人格のよりよい発達を目指す生徒指導の意義には、①生徒指導は個別か...