文学とは何かについて、テキストに書かれていることをまとめ、さらに具体的な作品をとりあげて自分の考えを述べよ。
Ⅰ.テキストの要約(第一章「文学とはなにか」より)
「文学とはなにか」と考えてみると、昔からいろいろな人たちがその定義を与えるのに苦労している。たとえば、湯地孝は『現代文学鑑賞原論』のなかで「文学とは何かとは難しい問題である・・・・・それは恰も人生とは何か、神とは何かというのと同じ事である」と述べ、いろいろと示された解答として次のものをあげている。
言語による芸術
作家の思想を想像・感情を通して読者の感銘に訴え、読者に美的満足を与える
自然の再現
人生の批評
心の問題を直接に、感覚を通さずに取り扱う
時代の偽らざる反映
精神の、書かれたる表現
感情を中枢としている
具象性に富んでいるところに他の追随を許さない独自の性質、描写がすべて
湯地は、この羅列では文学の形態論も機能論もすべて
不同に並べられ、かえって混乱を招くとともに、どれもがすぐれた解答でありながら全般をおおっていないとし、「空間的であることは形象的であり、又時間的であることは歴史的であり、両者を合わせ備えている...