アウグスティヌスの『告白』について説明し、それに対する自分の意見を、具体的な体験を交えて述べなさい。
アウグスティヌスが『告白』を書いたのは、年齢46歳の時、マニ教からキリスト教信仰に回心し12年を経てからのことである。
全13巻から構成される『告白』は、アウグスティヌスの自叙伝であり、彼の生涯と思想の大要を知ることができるものである。
又、アウグスティヌス自身の過去の半生を回顧し、己れの愚かさと神の恩恵とを告白し、神を賛美するものでもある。
全13巻の構成は2つに分かれており、1巻から10巻までは主に自分自身についての要約であり、11巻から13巻では聖書について書かれているものである。
第1巻では、幼年期と少年時代の罪を告白する話であるが、罪と言っても、どこにでもいる普通の子どもがいたずらをしたりする程度のものであり、筆者的には罪とは思えないが、キリスト教などの解釈では罪になるのであろう。第2巻では梨盗みのエピソードを含む青年時代について書かれており、第3巻ではカルタゴ時代の恋愛、その女性との同棲、そしてアデオダートゥスという息子を授かるも、その女性の身分が卑しいものであるため結...