添削担当者の評価を以下に示します。
【設題の把握】 十分
【テキストの理解】 十分
【評価】A
添削者からの訂正が無く、合格でした。
公民科授業のあり方について
社会科はそれの学習者に公民的資質の基礎を培わせ、同時に市民性を獲得させることを目標とする教科である。反面、今日、学習者にとっての社会科とは暗記科目の色合いが強くなっており、基礎的事項の暗記・認識の延長線上に位置づけられるべき、自らが所属する社会に対する批判的分析・問題意識というものが、育成されうる環境にあるとは言い難い。以下では、今日、社会科の一部に組み込まれている公民の授業の在り方を考察すべく、まず社会科という教科が本来有している教科観を3点にわたり確認する。その後、公民科の歴史、公民的資質という語が意味するもの、公民の授業の留意点などを概観し、公民科の授業のあり方について考察することとする。
社会科観の3潮流
上記したような社会科教育の目的を支えてきた要素として、以下の3点を挙げることができる。
市民として必要な知識・価値の伝達
この要素は、社会に関する知識を生徒がまず身につける段階を示しており、教科学習の体系から見ると、骨組みの段階と位置付けることができる。ただし、この要素に力を入れすぎた場合、以下の要素まで手が回らず、結果として暗記学習の様相が強く...