中国の教育格差
1.はじめに
1980年代改革開放のおかげで、中国の経済は急速に発展してきた。それとともに、中国の教育にも大きな発展をもたらしてきた。とくに、80年代では、まだ普及していなかった小学校義務教育が、2009年には全人口の99%が住む地域で実施され、政府が掲げた2010年までに義務教育の全国完全実施という目標をほぼ達成している。しかし、急速な発展に伴って教育格差問題広がっている。とくに、都市と農村、地域間、学校間の教育格差が拡大している。そのことが留学の増加、詰め込み教育等の問題になっている。
以上が、この問題を研究のテーマとして取り上げた理由である。
この研究では まず、中国教育の現状、その原因と影響をあきらかにする。次に、問題に対してどんな対策がとられているのか、国の主な政策と個人家庭の対策をみていく。その上で、それらの対等の問題点を明らかにし、今後の課題について考えたい。
2.中国の教育格差
2.1農村の留守児童
留守児童というのは、農村で両親が家庭の貧しい経済状況を改善する為に都市へ出稼ぎに行き、祖母や親戚のもとに育てくれた子供のことである...