連関資料 :: 自由再生における系列位置効果

資料:7件

  • 自由再生系列位置効果
  • 目的   試験時には、ある程度の情報を覚え、そして思い出さなければならない。記憶には情報を覚えこむ符合化、情報を保持する貯蔵、情報を思い出す検索の3つの過程があり、試験の際に問われるのはこのうち主に検索である。論文試験をイメージすると分かりやすいかもしれないが、試験の際には手がかりをなしに、貯蔵した順番に関係なく情報を検索する必要がある。この方法で検索することを自由再生という。情報をある一定の系列で符号化すると、その順序は検索頻度である再生率に大きく影響する。なぜなら、情報の初頭部が多く記憶される初頭性効果と、情報の末尾部が多く記憶される親近性効果が含まれるためである。逆に中央部の成績はそういった効果が起こらないため、成績が悪くなる傾向がある。これらを総じて系列位置効果と呼ぶ。この効果が起こっているため、再生率を系列位置の関数としてプロットするとU字型の曲線がえられる。これを系列位置曲線と呼ぶ。(藤永ら,2001) 今回の実験では、多数の情報を順序を問わず検索する自由再生法の課題として、60個の二字熟語を4つのランダムなリストに分けた物を用いた。課題提示直後に再生を行う直後再生条件と、30秒間の挿入課題の後に再生される延滞再生条件を設定し、この2つの条件を独立変数とした。また、項目が提示される入力の順序と色々な系列位置の項目が再生される確率との関係を明らかにし、その理論的背景を検討することを従属変数とした。課題の提示順序やリスト内での明らかに意味的に関係がある場合の偶然の誤差を除くため、各学習リスト内の提示順序は毎回異なるものとし、また60語をランダムな4つのリストに分けるものとした。その他に、順序効果を相殺するためにカウンターバランスを行った。カウンターバランスとは、各条件がすべての試行順序にあたるよう配置するものであり、今回は各試行が各順序に1回だけ現れるように並べるラテン方格を用いた。 方法  目的に沿って自由再生と系列位置効果に関する実験を行った。以下、被験者、実験計画、刺激、実験手続きを説明する。 被験者  実験対象者は19歳から23歳の無作為に抽出した男女24名の学生とした。直後再生群においては男子5人女子7人の計12人、延滞再生群においては男子1人女子11人の計12人を被験者とした。被験者間の均質をはかるため大学生に限定し、静かな場所で実験を行うことを心掛けた。 実験計画  表1 提示課題のリスト A B C D 今回の実験は、自由再生課題を要因とした、1要因2水準の実験であった。第1の水準は、自由再生課題を提示した直後、検索された順に解答用紙に記述していく直後再生条件とした。第2の水準は、自由再生課題を提示した後、30秒間の挿入課題を行い、その後、直後再生条件と同様の手順で解答用紙に記述していく延滞再生条件とした。各条件で被験者が異なる被験者間変数を用いた。 刺激  漢字2文字の名詞(小川・稲村1974)から学習容易性が4.00から5.00の範囲で、平均がほぼ4.50になるように60語を選出した。そしてこれらの語をランダムに15語ずつ4つのリストに分けた。この時に、明らかに意味的な関連がある語を同一リスト可能な限りいれないようにし、また読み間違いをしないように漢字に振り仮名をつけた。漢字のリストは表1に提示するものとする。漢字のフォントサイズは36ポイントとし、振り仮名のフォントサイズは12ポイントとした。これを一つ一つ9cm×13cmの白色の台紙 の中央に貼った。これを提示課題とする。図1はその提示課題の一例である。このほか、挿
  • レポート 心理学 自由再生 系列位置効果 記憶 カウンターバランス ラテン方格
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  • 自由再生における系列位置効果
  • はじめに  人は、多種多様な情報を活用しながら日常生活を送っている。情報を得てすぐに利用する場合もあるし、ある程度の時間その情報をおぼえておいて、後の行動に役立てるという場合もある。後者の場合、一般的な意味での記憶の必要とされる状況だといえる。記憶に関しては、必要な情報であっても全てをおぼえておけなかったり、ある物事は思い出せるのにそれに似た他のことは思い出せなかったりするという現象を、多くの人が日常的に体験していることだろう。  今回の実験では、こうした記憶の特性のひとつを実験的に検証するものである。具体的には、複数の同じような項目をおぼえた場合に、思い出しやすいものと思い出しにくいものがあるという現象をとりあげる。この現象を引き起こすひとつの要因について、その特性を調べることが、今回の実験目的である。 実験 被験者 心理学実験の授業内で京都府立大学学生の男女24人が被験者となった。 装置 Microsoft PowerPointによって刺激を24教室のスクリーン上に提示した。 刺激 実験で用いる刺激は、白色のスクリーン上に黒色の文字で提示された。刺激となった単語は、漢字2文字の熟語120語であり、これがランダムに8つのセットに分けられた。これらの単語は、小川・稲村(1974)をもとに、学習容易性が3.97〜5.03(平均4.53)の範囲になるように統制されていた。また、遅延時間中のディストラクタ課題である減算課題には、ランダムに生成された3桁の数字を使用した。 手続き 実験条件は直後再生と遅延再生の2条件であった。  遅延再生では以下の手続きで課題をおこなった。まず、スクリーン上に、各項目2秒の割合(項目提示時間1秒、項目間間隔1秒)で1つずつ単語が計15項目提示され、被験者は、それを観ておぼえておくように指示された。これに引き続き、3桁の数字が各項目3秒の割合(項目提示時間2秒、項目間間隔1秒)で1つずつ計10項目提示された。これを終えた後、今度は先に提示された単語を思い出した、60秒間のうちに手元の再生用紙に解答するように指示された。その際、提示された順序に関わりなく、想起した順に自由に筆記再生するように求められた。  これらの手続きをもって1試行とし、全部で4試行を実施した。  また、直後再生における手続きは、数字の減算課題が挿入されないことを除き、遅延再生の場合と同様であった。直後再生条件も全部で4試行をおこなった。 結果  直後再生、遅延再生ともに1番目〜15番目までの単語の生再生率を求めた。そして24人分のデータの平均値をそれぞれ求め図1図2に示した。  直後再生は、1番目の単語の生再生率は約80%、2番目は約65%であった。3番目からは急激に低下し、3番目〜11番目は20%〜40%の間であった。12番目〜14番目は40%〜60%の間であり、だんだんと上昇していっているのがわかった。また、15番目はさらに上昇し、1番目とほとんど同じ値の約80%であった。遅延再生は、1番目、2番目の値がともに高く約80%であり、3番目は急激に低下し、4番目が比較的高いことを除けば、3番目から11番目は20%〜40%の間であった。また、直後再生と遅延再生を比べると、1番目、2番目、3番目は同じような数値を示しているが、4番目から8番目までは、6番目が同じ数値であることを除けば、遅延再生の方が再生率は高い。13番目からはともに再生率は上昇し、15番目になると直後再生は80%、遅延再生は40%と両者に差がついた結果であった。  次に直後再生、遅延再生の中
  • レポート 心理学 記憶 自由再生 遅延再生 直後再生 京都府立大学
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  • 自由再生における系列位置効果 実験考察レポート
  • 基礎心理学実験  自由再生における系列位置効果 記憶は1種類のものではなく、通常、感覚記憶・短期記憶・長期記憶の3段階にわかれるものであると考えられている。感覚記憶とは、感覚刺激がパターン認識の過程を経る前に一時的に保存されているものをさし、普通「記憶」と呼んでいるものとは異なるものである。 電話番号などを一時的に記憶にとどめておくことができるが、それは短時間のうちに忘れられてしまう。このような記憶を「短期記憶」という。それに対して、小さい頃の思い出や、さまざまな知識などのように長期にわたって貯蔵されている記憶を「長期記憶」と呼ぶ。この実験では、長期記憶と短期記憶を区別する根拠のひとつである、自由再生における系列位置効果について検討する。
  • 実験 心理学 心理 記憶 再生 課題 自由 比較 考察
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