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原始仏教の思想的な特徴について「縁起説」「四諦説」「煩悩」「悟り」といった用語を用いて説明しなさい。
紀元前五世紀頃にインドで仏教が成立する時代は、ヴェーダに基づく祭祀中心の正統バラモン教の伝統に対抗して、自由な立場で独自の主張を唱える新興の思想家たちが登場する百家争鳴の時代であった。当時の自由思想家たちは、「霊魂と身体はおなじものであるのか、異なるものであるのか」、「苦楽は自らによって作られたものであるのか、他によって作られたものであるのか」などの形而上学的な議論を盛んに繰り広げていた。常住論、断滅論、無因・無縁論などがこの議論の代表的な主張であった。これらの主張は初期仏典のみならず、ジャイナ教経典にもみられる。これらの主張に対して、仏教は「苦は縁生である」という原因・条件による法の生起と止滅を説く縁起説を提唱した。縁起説が他宗教の教義に対して仏教独自のものとして体系化されると、その思想的正当性と優位性を主張するために、縁起説は釈尊成道に起源を発するものとして位置づけられるようになる。さらに、縁起説は釈尊の個人的思想を超越した、普遍的真理として位置づけられるようになる。
「縁起」とは...