日大通信 民法3(分冊1)の合格レポートです。
レポート作成の参考にご利用ください。
問い:Aが所有する甲土地をBに建物所有目的で賃貸し、Bが建物を建築しようとしたところ、すでにCが甲土地を占拠し、建築資材置き場として使用していた。この場合、Bが賃借した土地を利用するために取りうる法的手段としては何が考えられるか。考えられるものをすべて挙げて、その当否を論ぜよ。
土地所有者(A)から賃借している土地を、第三者(C)に不法占拠された賃借人(B)のとりうる手段としては、①不動産賃借権に基づく妨害排除請求、②賃貸人の有する所有権に基づく妨害排除請求権の代位行使、③占有訴権に基づく妨害排除請求、の3つが考えられる。以下、各手段について簡単に述べる。
(1)「不動産賃借権」に基づく妨害排除請求権の行使
1つめの手段として、賃借人(B)の「不動産賃借権」に基づいて妨害排除請求をすることが考えられる。
妨害排除請求権とは、物の所有者が、所有権の円満な状態が妨害されている場合に妨害者に対し、物の返還、妨害の排除及び妨害の予防を請求することができることをいう(物権的請求権)。これは、原則として土地の所有者が行使することのできる権利であり、所有者から賃借して土地を占有しているにすぎ...