「福祉国家の思想と原理について述べよ」
日本国憲法第25条第1項(1946年公布、1947年5月3日施行)で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と生存権の保障を規定し、第2項では「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定し、国の保証義務と保障方法を明らかにしている。「健康で文化的な最低限度の生活」うぃ保障するために、国が社会福祉の向上及び増進に努めなければならない事が明確に規定され、この生存権保障の思想が、我が国の社会福祉のあり方の最も根本的な拠り所である。
第2次世界大戦後、諸外国が社会保障思想を模索する中、各コクの社会保障制度に多大な影響を与え、世界最初の福祉国家へと導いたイギリスの「W・ベヴァリッジ報告」について述べる。
第2次世界大戦中、1942年11月に「社会保険と関連サービス」と題する報告「W・ベヴァリッジ報告」がイギリス政府に提出された。それまで理念の範囲にとどまっていた社会保障の諸制度を総合・体系化し、全国民にナショナル・ミニマルを保証することを目標とし、戦後の社会保障・社...