地域情報(欧米Ⅳ)_第4回レポート課題
「複合社会」という言葉はオランダの社会学者であるファーニバルが最初に使用した。同一の政治単位内に二つ以上の要素または社会体制が隣接して存在しながら,互いに混合・融合することがないような社会を複合社会と呼んだ。ここでいう要素とは宗教的要素,人種的要素などさまざまである。例えば、アイルランドでは住民は宗教的に明瞭に区分され、アメリカ合衆国では人種的複合状態が存在する。
そしてテキスト『文明の表象 英国』の第3章では20世紀に注目して、1981年の2つの事件を分析しており、1997年のブレア政権の成立を、なぜイギリス国民の健全で賢明な選択として歓迎できるのかを論じている。
テキストでは現代イギリスという複合社会において政治の主導権を行使しようとする集団について主眼が置かれているが、ひとつ注意しなければいけないことは、現代イギリスの主要な主導権の潮流にはリベラリズムと社会民主主義との二つがあって、本質的に別個の世界をなす民のモラルをめぐってこの両者が競合し交渉するあいだに、イギリスの政治と民主主義が展開してきたことである。
そこで重要な人物がサッチャー...