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「福祉サービスにおける組織と経営について述べよ。」
1.はじめに
我が国の社会は交通機関やIT化の促進によって大きく変化し、それとともに家庭環境や地域社会も大きく変化した。今日、人や地域の抱える問題は複雑化・多様化しており、福祉サービスのニーズも同様に複雑化・多様化している。福祉サービスにおいても、従来のような限定した事業主体から、民間企業も含めた様々な主体の参入による連携と競合が生まれており、今後は新たな福祉サービスの提供組織の編成と経営モデルづくりが求められる時代になると考えられる。
2.福祉サービスについて
日本で福祉サービスという言葉を用いるようになったのは、1990年の社会福祉事業法の改正時からである。また、これまでは行政によって、社会福祉施設の運営や福祉サービスの提供が行われており、直接の支援は社会福祉法人だけに許されていた。しかし、社会福祉基礎構造改革により、民間企業も福祉サービスへ参入できるようになった。
そして、2000年の社会福祉法において、「福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉の推進を図る」と明文化され、福祉サービスという用語が定着するこ...