初等理科教育法 1

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    初等理科教育法 1
    1 これまでの理科教育の問題について、テキストで学んだことをまとめ、それについての私見を述べていく。ポイントは、2つある。1つは教科書の問題であり、もう1つは教える側の教師の問題である。

     これまでの理科教育の問題については、「事実を基にして考えることが大切だ」とされてきた。つまり教科書を見てもらうとわかるが、理科の教科書は現行の学習指導要領を基に作られたものを見ても、観察・実験の後に結果が記載されている。教科書は子どもたちが目にしようと思えば、目にできるのだ。試験本位から来る考え方から来ているのだろうが、これでは児童の試験での成績向上には助かっても、児童を理科に対しての興味・関心を惹きつけるものにはならない。テキストで筆者が理科教育に求めていたものは、「自分の予想・考えを持って事実を見る」ことを強調しているのだ。だから、教科書は理科には必要ないのかもしれない。明治以降、理科に関しては国定教科書が作られなかった時期もある。これは教科の特質から、理科は教科書で予習させることには、子どもたちのメリットよりデメリットの方が多いからである。

     理科教育は、あえて子どもた...

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