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ビジネス取引と法 最終レポート
【事案の概要】
P株式会社は,通信事業を営む東証上場会社であったところ,平成23年9月13日,当時の代表取締役であったAは,P社の業績見込みについて,平成23年第3四半期通期(同年1月1日から同年9月30日まで)では営業損益及び経常損益がいずれも赤字となる旨の報告を受け,何としても黒字にしたいと考え,財務担当の従業員兼取締役Bに指示して,既に事実上買収済みであった株式会社Qに対する架空売上げを約1億円計上して,P社の平成23年第3四半期通期の黒字化を装うことにし,平成23年7月から9月までの3か月間,広告費用およびコンサルティング費用合計1億円を計上した。
そして,同年11月12日,TDnet(東証のインターネットによる適時情報開示システム)により,「P社の第3四半期(通期)の売上高は約7億5900円,経常利益は約7200万円,当期純利益は約5300万円である。当期第3四半期(通期)においては,前年同期比で増収増益を達成し,前年中間期以来の完全黒字化への転換を果たしている」と,虚偽の内容の公表をした。
また,平成24年3月31日,関東財務局長に対...