高評価を得た合格レポートです。参考にしていただければ幸いです。
初期社会科がめざしたねらいと指導法の特徴について、今日の初等社会科のあり方と課題に関連して論じなさい。
昭和20年代に成立した初期社会科の在り方は、現行初等社会科の在り方と深く関係している。
今日、知識基盤社会を生きる自律的人間育成のため「生きる力」の育成を理念とした教育を実践すべく、体験学習や問題解決学習など児童の経験や主体性を重視した教育方法が求められるようになり、新学習指導要領の改善では「確かな学力」と「生きる力」を踏まえ、「基礎的・基本的な知識・技能」とそれらを活用する「思考力・判断力・表現力」「学習意欲・関心・態度」の育成が重視された。これはPISAの学力観とも一致するもので、現行初等社会科においてもPISA型読解力育成が授業改善の方向性に大きな影響を与えている。PISA型読解力は「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために書かれたテキストを理解し利用し熟考する能力」と定義され、内容を読み情報を取り出すのみならず、情報を取捨選択し、他の情報と比較し、そこから推論して意味を理解する思考力や活用力、情報を基に自身の考えを持って表現する力、...