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社会科と道徳教育の関係を、史的な側面も視野に入れて検討しなさい。
戦前期には道徳教育は修身を中心に行われていた。終戦後GHQにより修身は停止され、日本独自の対応として修身が悪い形式主義に陥っていたことを反省し、社会生活の理解と社会的態度を養う教科として公民科の実施が検討された。この公民科は道徳教育の要素を加味しており、目的も社会に対する知識面の指導である知的指導と、社会を生きる態度や能力面の指導である実践指導を重視したものであった。だがその内容は日常生活や社会生活を中心としている点で社会科に近いものであった。それは、公民科は修身とは異なる道徳性育成の教育を模索したものであり、道徳教育的要素と社会科的要素を含んだ教科として構想されたと言える。しかし実施には至らず社会科に受け継がれることとなる。道徳教育に関しては独立した教科は設置せず、社会科を中心とした学校の教育活動全体において行うものとされた。
しかし実際、社会科の実施において道徳的要素を加味することが十分できなかった。その理由として、社会科の取り扱う内容は身近な社会生活を題材とするため道徳的判断力や心情を直接的に題材とする事が少な...