連関資料 :: 古事記

資料:4件

  • 古事記』と『日本書紀』考察
  • 1 はじめに  このレポートは、古事記と日本書紀の内容的相違や、両文献研究の歴史的変遷を示した『古事記と日本書紀』(神野志隆光著 講談社現代新書)を基に、本著の批評、そしてその批判の根拠となった事実の理由を考察したものである。  このレポートの流れとしては、まず2章で本著を要約する。それをうけて3章では、本著の記述について否定を行う。そして否定した根拠となる歴史的事実がなぜそのようになったのかということを考察する。最後に4章で、3章に述べた私の主張を要約する。 2 本著の要約  古事記、日本書紀ともに古代日本において書かれた文献である。その内容はどちらも天皇の世界がどのように成り立ったのかを語るものであるがその内容は2つの文献において相違が見られる。日本書紀においては世界の始まりから神武天皇までの概要は次のようになっている。  当初世界は渾沌としたものであった。その中から天地が分かれ、様々な神が誕生しやがて、イザナキ・イザナミという2柱の神が誕生した。2柱は協同して大八洲の島々や山・川などを生み、日神(アマテラス)・月神・ヒルコ・スサノオを生む。スサノオは乱暴者でアマテラスを石窟にこもらしてしまう。そのためアマテラスが治めていた地上は乱れてしまった。その間にスサノオは追放され、出雲におりてヤマタノオロチを退治する。その後クシナダヒメと結婚しオオナムチを生む。天ではウケイとアマテラスとの間にアメノオシホミミが生まれる。
  • レポート 日本文学 古事記 日本書紀 本居宣長
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  • 「黄泉の国」考察 『千と千尋の神隠し』と『古事記』の比較を中心に
  • 一、はじめに  二〇〇一年七月に封切られた『千と千尋の神隠し』は、あの『タイタニック』や、ジブリの人気作『もののけ姫』を上回る反響を呼び、二〇〇二年四月二十一日までに観客動員数二、三三三万人、興行収入三〇一億円という偉業を成し遂げた(久美・二〇〇四)。その内容はというと、十歳の少女・千尋が、トンネルの向こうの「不思議な世界」に迷い込み、そこで起こる多くの困難を乗り越え成長していくという、至ってシンプルな、ともすれば「ありきたりな成長物語」である。それがなぜ空前のブームを巻き起こすに至ったのだろう。おそらくそれは独創的な「世界観」にあるのではないだろうか。清水氏は言う、「このアニメには様々な解かなければならない謎や、絶対に解けないであろう謎が残されている」と(清水・二〇〇一)。そう、「千と千尋」の「不思議な世界」には謎が多い。一体あの世界は何であるのか。その問いに対する見解は様々である。清水氏(二〇〇一)は、トンネルは産道の隠喩であるとする「母体回帰」説を挙げているし、久美氏(二〇〇四)は「あの世界は千尋用に全てがお膳立てされた世界」だと述べている。  この問題について考える上で、注目すべき点は「『千と千尋』は、いたるところに伝統、民族、思想的要素が盛り込んである」と、宮崎監督が自認しているということだ(『千と千尋の神隠し』パンフレット)。これは、何らかの伝統的思想によって「不思議な世界」を説明付けることができる可能性があることを意味しているのではないか。そこで、物語序盤で、「不思議な世界」の住人・ハクが千尋に言った「この世界のものを食べないと、そなたは消えてしまう」という台詞に着目した。この場面は、『古事記』に記されている「よもつへぐい黄泉戸喫」(黄泉の世界の火で作った食物を口にして、その世界の仲間となる儀礼)(辰巳・一九九六)に非常によく似ている。
  • レポート 黄泉 古事記 千と千尋の神隠し 他界 映画
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