佛教大学通信教育部(精神保健福祉士)の合格レポートです。日々の勉強の参考としてご活用ください。
「ライフサイクルにおける精神保健の観点から、各期における心理的社会的な面での発達課題と、その中で家族が果たす役割について論じなさい。」
精神保健の観点から考えると、「家族」が果たす役割は良い方向にも悪い方向にも大きな影響を与える要因となる。それは「家族」という存在はその当事者にとって独特の距離感があり、その関係でしか知りえない事や、なしえない事があり、「特別な存在」であるからである。
こうした家族の役割を論じるためにライフサイクルを6項目に分け、それぞれの観点から考察していく。
①「胎児期および乳幼児期」胎児期の精神保健はそのまま母親の精神保健といえる。それは妊娠中の母親の心身の健康状態が胎児の発育や発達に直接的・間接的に影響を与えるからである。例えば重度知的障害の施設で生活する子どもの母親を調査したところ、その半数近くが妊娠中に心身の異常が強くあったことが分かった、という調査結果もある。現代の生活状況を考えた時、この認識はあまりにも希薄であると感じる。特に、夫が妊娠中の妻を支える意識の変革と、協力体制を推奨する社会体制の整備や風潮が必要である。
乳児期で大切な発達課題としてエ...