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1.現行の『小学校学習指導要領』における道徳教育の考え方について説明せよ
学校教育の究極的な目標は「生きる力」を養うことにある。そして道徳教育は『学習指導要領』で示されているように、その基盤としての道徳性を養うことにある。これが道徳教育の基本的な立場といえる。また道徳という実践的な社会規範を教える以上、日常生活と密接な関係でなければならない。すなわち道徳教育は授業科目としての「道徳の時間」のみならず、学校の教育活動全体で取り組むべき性質を持つといえる。『要領』に即していえば前者は内面の道徳的実践力を養うことを目的としており、また後者はそれらを踏まえた道徳的実践の場であると捉えることができる。平成20年3月に公示された現行の『要領』のうち重要な改訂事項は上記と関連させると次の3つが挙げられる。①道徳の時間が学校の教育活動全体の「要」と位置づけられたこと。②各教育活動と道徳教育との「関連」がこれまで以上に強調されたこと。③学校や学年に応じて、発達的な課題などに即した指導が明確にされ、「時期」が一層考慮されるようになったこと。これらを道徳教育を実現する2つの教育手段、すなわちⅠ...