分冊1
以下の(1)~(5)について、番号順に記述しなさい。
(1)母音と子音をよりよく分類する調音的特徴は何か。
(2)その際、日本語には母音とも子音とも分類しがたい音声がある。それはどのような音声か。該当するものを音声記号で示し、その理由を示しなさい。
(3)調音的特徴とは別の観点を導入すると、(2)で取り上げた音声は母音あるいは子音のいずれかに分類される。その観点と、母音または子音と分類される根拠について説明しなさい。
(4)一方、(3)の観点を導入すると、日本語には都合の良くない例がある。その具体例を、音素記号で示しなさい。
(5)(4)の例を音声記号ではなく、音素記号で示すように指示された理由は何か。具体例を挙げながら、説明しなさい。
(6)使用した文献一覧を末尾に示すこと。
※レポート本文中、音声記号を文字コードの関係で別の文字を当てて表記しています。
1
音声は、呼吸器、喉頭、声道と調音器官の三つの音声器官によって産出されている。
呼吸器は、音声のエネルギー源でもある肺気流を供給している。喉頭には、声帯があり、
左右に別れた声帯によって声門がつくられている。声道と調音器官は、両唇、歯、歯茎、
硬口蓋、軟口蓋、口蓋垂、口蓋帆、それに加えて舌、鼻腔などがあり、音色を作りだすこ
とに関係している。
では、これらの諸器官を駆使して作りだされる音声において母音と子音を分類するもの
は、何であろうか。母音は、声道において、気流を阻害することなく発声されている。一
方の子音は、声道において調音器官や声門を駆使して気流を阻害することによって、音色
を調整しながら発生されている。例えば、/p/であれば、両唇がいったん気流を遮断する
ことで/p/という音色を作りだしながら発生されている。
以上より、母音と子音の違いを調音的特徴から分類すると、母音は、声道と調音器官お
よび声門においての気流の阻害が少なく、子音は、それらによる気流の阻害が大きいもの
といえる。
2 [w]、
[j] 両者とも子音に分類されている。上述のように、母音と子音の違いは声
道...