課題・・・「精神的に健康である」とはどのようなことか説明してください。評価・・・合格 よく理解・表現できています。内容が豊かであり、よく学習しています。
精神保健の考え方として世界保健機関(WHO)憲章では、健康について「健康とは、身体的、精神的ならびに社会的に完全に良好な状態であって、たんに疾病は虚弱でないというだけではない。及ぶ限り最高の健康標準を享受することは、人種、宗教、政治的信条。経済的状態の○何を問わず、全ての人間の基本的権利である」と述べられている。
そして過酷な状況の中でもよく耐えぬいてやりとおす能力、種々の環境からの刺激や圧力に負けず、内的な統合税を保って、危機を克服うぃていくことのできる潜在的能力をもつことも健康目標のひとつである。このような観点から総合的な概念として健康をとらえると、精神的健康とは、病気がなく、どのような生活環境の中でも生きていけるたくましさ・適応力があること、不健康をつくりだす生活環境に働きかけていけるような力があることと考えられる。真の健康は、身体的、精神的、社会的のそれぞれが相互に関連しあい、働きあってバランスをとり、人間としてふさわしい生活を送ることができてはじめて可能となる。健康の考え方として健康の概念・定義、健康の成立要因・条件、健康の指標、健康の水準・レベル、健康の水準の尺度とその関係、健康の基準、健康と疾病、事故傷害等の予防、予防の理論と描写の行動、生活の関係が関わる。そして、どうしてどうして病気になるのか、障害が生じてくるのかなどの原因や条件を探り、精神的問題・心の病気や障害に立ち向かう必要がある。
健康概念の認識では、身体的外面の把握、精神・情緒外面の把握、社会的外面の把握、保険関係行動的外面の把握、疾病。異常に関係づけた把握、心身両側面の把握、3側の面把握というように身体面と精神面の両側面から捉え、近年、生活習慣病と結びつく。
健康概念の分類では、状態、能力・適正・適応・体力、指標による把握、外枠概念での位置づけ欲求・価値・本能・権利、成立条件と結合、混合、集団社会の指標・表現形態、健全性、過程とされ、健康とは一部の特徴の理解ではなく、総合的な認識の上で、健康と位置づけられ、相対性、記号性、制度性、文化性、変動制、全体性、複合性、理念性、関係性の特徴がある。
精神的に健康であるとは、心理的、対人関係、社会生活の上でも適応していることである。原野広太郎(1971)は、健康を考えるにあたり、身体の器質的欠陥・障害に基づく心の疾患・障害、身体の器質的欠陥・障害から二時発生する心の疾患・障害、遺伝・内因性の精神的疾患、先天的・後天的疾患、心因性の精神疾患、性格・行動障害、対人関係適応異常、社会的適応異常の心の不健康な状態である病気、異常、不適応を次のように除いて考えている。福田邦三(1968)は「病気」の反対語として考えた健康、わずらいのない身体的状態としての健康、環境要素を含めて考えた健康、心身の好調な生活の姿としての健康、身体、精神および社会におけるすべて好調な姿としての健康を健康の概念の推移を述べた。
第3回児童健康及び保護白亜感会議(1929)にて調和的・能率的人格が制せ陰的健康に必要であることが述べられ、精神的健康像とは、精神的、情緒的に安定し、自分のおかれた現実を調子し、環境の変化に対応、順応し、必要に応じて環境を改善する適応ができ、人生を肯定的に受けとめ、葛藤、ストレス、不安をコントロールし、耐える力を持ち、他人と協力・強調して仕事を進め、自分をありのままに受け止め、理想に向かって努力する姿である。
精神保健の維持増進には、ライフサイクルに応じた精神保健活動と生活環境による精神保健があり、食生活・住生活および家族関係や生活の場による精神保健との関係を考える必要がある。
子どもが精神的に健康に育つためには、子どもが問題に直面し、解決し、乗り越えていくことによってされに発達し、新たな生活の営みの場に力強い一歩を踏み出すことができるような援助が必要である。健康な状態とは、心・精神の障害・病気を予防し、精神の健康な状態を保持することである。
【参考文献】
・保育士養成講座 第4巻 精神保健 社会福祉法人全国社会福祉協議会
・精神保健福祉士養成講座2 改訂精神保健学 中央法規出版株式会社 日本精神保健福祉士養成校協会
・精神保健 保育 ライブラリ 子どもを知る (株)北大路書房 京都市北区紫野十二坊町12-8