講評も載せてあるので、その講評を参考に、手直しして提出することができます。
エジプト美術、メソポタミア美術、エーゲ美術、古代ギリシャ、エトルリアとローマの美術の5つの美術作品を比較する。
まず、エジプト美術の『ラー・ヘテプとネフェルトの像』について取り上げる。「夫ラー・ヘテプは王の息子で、ヘリオポテスの大司祭だった。両者ともまっすぐに正面を向き、背中をぴんと立て、身体の中心を通る正中線にたいしてほぼ左右相称に各部が配置され、厳正な印象をかもし出している。それでいて、頭部には個性的な顔をのせている。眼は水晶と黒石を象嵌して、ぎょっとするほどリアルに表現されている。このような厳正な幾何学性とリアルな感覚、言い換えると全体の統一と写実的な細部そして自然観察が、初期の肖像彫刻に見られる。」(*1)という。この彫刻は古王国時代に造られたもので、この時代の特徴としては、彫刻が墓主に似ていることが求められたため、写実的なものである、ということが挙げられる。この夫婦は、王の息子夫婦だったことから、位の高い人物ほど厳格に適応されるとされる幾何学秩序(カノン)が適応されている。幾何学的秩序(カノン)は、古代ギリシャ美術でさらに研究され、完全な人間の表現への到達へとつながってい...