評価B
設題「障害者リハビリテーションの理念形成の経過をノーマライゼーション、障害者の権利宣言QOL、IL運動などと関連させて述べなさい。」
障害者リハビリテーションの理念形成の経過をノーマライゼーション、障害者の権利宣言QOL、IL運動などと関連させて述べなさい。
精神科リハビリテーションは、社会福祉やリハビリテーション全体と同じ様に、近代の人権思想を出発点にしている。
上田敏は、リハビリテーションとは「人間らしく生きる権利の回復」つまり、「全人間的復権」であり、「新しい人生の創造」なのだ、と述べ、根源をなす思想の重要性に触れている。
全人間的復権とは、リハビリテーションが、個々の身体部位の機能回復のみを目的とするのではなく、障害をもつ人間を全体として捉え、その人が再び人間らしく生きられるようになることである。
障害を持つことによって、職を失う、人並みの旅行もできない、遊びにも行けない、家族に与える様々な負担などを合わせた障害を核とした「不幸の複合体」を形成する。この不幸の複合体に対しては、複合的・総合的な対策以外に解決方法はない。ここに、障害者の為の各種事業の統合への志向とそれが、リハビリテーション、全人間的復権の真の意味である。
問題が福祉だけといった部分的な解決はあり得ない。治療ではなく権利の回復が必要である。ここで...