評価B
設題「利用契約制度への移行が、利用者・家族の暮らし、福祉施設・事業所の運営・経営に与えている影響について明らかにした上で、福祉専門職に求められる課題とは何かについて論述せよ。」
利用契約制度への移行が、利用者・家族の暮らし、福祉施設・事業所の運営・経営に与えている影響について明らかにした上で、福祉専門職に求められる課題とは何かについて論述せよ。
社会福祉基礎構造改革により、介護保険法や障害者自立支援法が施行され、社会福祉に「利用契約制度」が導入された。これにより「社会福祉サービス選択の自由」「事業者間の競争によるサービスの向上」のもと、営利企業が参入した。
これによって、公共セクターによる福祉供給は低下の一途をたどっており、介護保険事業や障害者福祉事業からの撤退の傾向が顕著になっている。この背景には、行政の役割を福祉サービス提供事業者の管理と事業の条件整備にとどめ、直接サービス提供責任を負わないようにしていることがある。この様に、社会福祉事業の公的責任が不鮮明になってしまったせいで、行政が福祉そのものの機能を見失い、どうすれば障害者問題が解決できるのか、地域生活支援ができるのか、そんな福祉の根本を欠いたままサービス量に汲々としている。そして、地域福祉計画策定とその実施は、住民と行政の協働過程であり、その取り組みから自治が強化されるはずなのに、営利企業が参入...