科目名:カウンセリング論
カウンセリングとは何か、依頼者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助のことである。カウンセリングを行う者をカウンセラー、相談員などと呼び、カウンセリングを受ける者をクライエント、カウンセリー、相談者/来談者などと呼ぶ。カウンセリングは、精神心理的な相談援助、すなわち心理カウンセリングを指す。その場合、心理カウンセラーの学問的基盤は、心理学・応用心理学の一分野である臨床心理学が中心的に用いられる。人格の成長や自己実現を目指して行われ、対象は問題をかかえた人にとどまらない。自分の中に悩みをかかえたとき、他者に話すことによってその重荷を軽くし、自分の感情と向き合い答えを探っていく。自分の話を聴き、共に考えてくれる支援者を得ることで変化への意欲を高めることをねらい看護に役立てる。カウンセリングとクライエント中心療法とは①かかわり:コミュニケーションを円滑に進め、話し合える関係を築く。②探索:ともに考えるのに必要な情報を引き出し、探索を促す。③共感:相手の立場に立って感情を理解しようとする。④目標設定:なにを目標にするかを明らかにする。⑤課題提示:目標に到達するために必要な手段・方法をあげてみて、考える必要のあるテーマを示す。ロジャーズの提唱したクライエント中心療法では、クライエントの潜在能力や実現傾向がセラピストとの治療的人間関係のなかで促進されていくと考える。このような変化を可能にするセラピストの態度条件がある。1.自己一致、純粋性:セラピストが自分自身の感情に気づき、受け入れていること。2.無条件の積極的関心(肯定的配慮)クライエントの行動や性質に良し悪しの判断を下すのではなく、存在をありのまま受け入れ、積極的な関心を寄せること。3.共感的理解:クライエントの感情を相手の立場になって、あたかも自分のものであるかのように感じ取り、それを伝えること。1)
精神的分析療法とは、フロイトが神経症の治療と研究を通じて理論化した体系に基づき、のちの心理療法に大きな影響を与えた。フロイトは心に無意識の領域が存在し、日常生活に影響を及ぼしていることを指摘している。エスは本能的な部分であり、欲求の満足を求め、超自我は、道徳的社会的な規模や自我の理想に従う部分である。自我はエスの衝動や超自我の欲求の間で、外界の現実に適応するよう調整をはかる。また、自我は自分自身を不安や不快感からまもり現実に適応するしくみである防衛機制をはたらかせる精神分析の治療においては無意識にしまい込まれている感情を意識化し、自覚的に理解して洞察を得ることが重視される。患者は治療者に対して様々な感情を向けてくるが、それらは患者が過去の重要な人物に対して持った感情を置き換えたものである事が多い。これを転移とよび、信頼や愛情といった肯定的な感情の場合が陽性転移、不信感・怒りなど否定的な感情の場合が陰性転移である。患者には意識的・無意識的に治療の発展を妨げるような反応が生じることがあり、これを抵抗とよぶ。治療者はこうした心の動きを取り上げて分析し、看護者が患者の心理を理解、適切にかかわるうえで有益である。2)
行動療法とは、学習理論・行動理論に基づく治療的アプローチの総称であり、1950年代からスキナー、ウォルピ、アイゼンクらによって体系化が進められた。行動療法では、行動を学習されたものと考え、問題行動や不適応行動を修正し、適応的な行動を学習することが目標となる。治療の中心課題は、すでに学習され、維持されている症状や問題行動を消去すること、また望ましい適応行動を新しく、しかも積極的に修得させることである。治療においては、まず行動分析(行動アセスメント)を行い、治療計画を立てる。そこでは、実験的に検証された治療技法が選択され用いられる。また治療的介入を終結する際に、治療効果を客観的に評価する事も特徴の一つである。行動が学習される仕組みの主なものには、レスポンデント条件づけ、社会的学習があり、3)私の看護現場では、自分の抱えている葛藤や問題を看護師に打ち明けられない事も多く、時には不穏になる時がある。対応策として闘病生活が長く続きかなりストレスが溜まっていると考えられるので、患者に関心を寄せ思いや考え、認識にできるだけ近づいていく為に「あなたをしっかり看護し気持ちを理解したい」という思いを伝える為にアイコンタクトを使ったり、相槌を打ったりして患者に十分な関心を向け、自分の気持ちが患者に近づいているかを自己点検しながら、患者の心理変化を考察する。自己決定を促し問題の意識、先が見えない苦しみ。闘病生活は孤独との戦いであり、イノベーションの決意をして原点に立ち返る事を促す。他者に認められると言うことを目標とし今後どうして行きたいかを明確化する。それらが治療に応用され、看護に役立つものであると考える。(2000字)
引用文献:長田久雄、新看護学4専門基礎「4」看護と倫理、患者の心理(2013)1)p105、2)106p3)107、108医学書院
参考文献:1.長田久雄、新看護学4専門基礎「4」看護と倫理、患者の心理 医学書院(2013)
2.荒川唱子:臨床におけるリラクセーション技法の適用,―効果および習得プロセス―,日本看護技術学会誌,(2005)
設題4)医療従事者のバーンアウトやストレスとその対処
私が看護上で体験したストレス、ヘルパー主任との人間関係、彼は私より5年後輩で、年が一つ上で(54歳)1年前のある日、彼の可愛がっていた後輩A氏が金髪にしていたのを副理事長の目に留まり私に注意をするように命ぜられたので、主任に報告しその旨をA氏に告げた。数日後A氏は髪を黒く染め出勤してきた。A氏は中卒(30歳)であるが、サッパリしているが頑固な性格で髪型と顔はJリーグの本田圭佑に似ている。A氏曰く「なんで俺に直接よう言わんのや!」と感情剥き出しで、「俺の友達に刑務所から出た奴が居って何も怖いもんは無いんや!」職場の雰囲気が悪い。総師長にも言動を注意されたらしくかなり不機嫌である。彼の同僚で、B君、C君3人のグループが上司に盾をつくようになり私には、悪態を付く。1か月後、夜勤明けに私の車のナンバープレートが盗難にあう事件が起きた。3か月しても犯人は見つかりませんでした。私は不安と恐怖心が走り仕事に行く気が起こらない重苦しい日が続き師長・総師長に相談するのですが、なにか目に見えない針がチクチク心を刺す日が約1年続きました。結局はA氏とB君は退職しましたがヘルパー主任はそれ以後私を睨んだり、悪態を付く事が続いている。看護師の社会的背景や環境がバーンアウトの発生に関係するということは、これまで多くの研究によって明らかになっている。田尾・久保(1994)は看護師の地位・部署・年齢・勤務年数・結婚の5 項目とバーンアウトの関連を調査し、地位・部署・結婚によるバーンアウトの様相の違いや、年齢で40歳、勤務年数で11年がバーンアウトの臨界点であることを見出している。1)また黒瀬・宮路ら(1999)は、緩和ケア病棟に勤務する看護師のバーンアウトの構造を調査する中で同様の検討を行い、年齢が若く看護師としての経験年数が短い、相談する上司がいない、病床数の多い病棟に勤務する看護師はバーンアウトを発生する割合が高いと述べている。2)ストレスとは、外部から刺激を受けて体に起こる反応と、その原因となる刺激(ストレッサー)のことで、たとえば、ボールを指で押すとへこむ、このへこみや、へこみを起こす力がストレスだと思われる。へこんだボールは時間がたてば元に戻るように、私たちもストレスを受けて体調を崩しても、休めばたいてい健康な状態に回復する。これは、「ホメオスタシス」(生体恒常性)といい、正常な状態に戻ろうとする身体の働きであり、また圧迫が強すぎたり長すぎたりすると、ボールは元に戻らなくなる。身体も同じように、ストレスが強すぎたり、長くさらされていると、ホメオスタシスが働かなくなってしまうため、ストレスの影響が強くならないようにコントロールする必要があると思う。「ストレス」は、「なくすべき」「排除すべき」と思いがちであるが実は、私たちはストレスを感じるからこそ、生きることができるのではないかと思われる。たとえば、「疲れ」というストレスを感じなければ、働きすぎて体を壊してしまう。また、「不安」や「不満」がなければ、努力する気も起きない。「暑さ」「寒さ」を感じなければ、身を守ることも忘れてしまう。ストレス学説の祖であるハンス・セリエ博士は、「ストレスは人生のスパイス」と言っている。ストレスという適度なスパイスがあるからこそ、私たちは人生をよりよく料理でき、自分を向上させながら生きていけるとおもう。生きている限り、ずっと付き合っていくのがストレス。だからこそ、ストレスを募らせてホメオスタシスを崩さないよう、考え方、行動の仕方、生活習慣を見直していくのが大事である。たとえば、マイナス思考で考えたり、人に気を使いすぎたりしていると、ストレスはたまる一方であり、頑張りすぎる生活は、乱れた生活習慣、楽しみの欠けた生活などを続けていると、ストレスは解消されない。結論:このように、ストレスの影響を大きくさせないためには、日頃からストレス状況をよくチェックし、付き合い方を見直していくことが肝心になる。ある日突然意欲を失うバーンアウト(燃え尽き症候群)は、医師・看護師・教師などの専門職を襲う症状として、1970年代にアメリカで注目されて以降、医療従事者が罹る割合は全体の3~4割といわれている。原因が考えら...