明星大学、法学2の1単位目合格レポートです。 テキストを中心に適切にまとめ、よく検討できていると、高評価をいただきました。 参考にして頂ければ幸いです。
① 現 代 憲 法 の 特 色
欧米諸国と日本は、十七世紀から十九世紀にかけて各
国の状況に合わせて近代憲法を成立させた。近代憲法に
は、共通原則が三点存在している。
第一に、国民の政治参加の原則、いわゆる国民主権で
ある。国民が直接または間接に国家意思の形成に参与し
国政に参加する方法が存在することを認めるものであ
り、近代憲法成立のための最も基本的な条件である。第
二に、自由権を中心とした基本的人権保障の原則であ
る。これは、人間は生まれながらにして自由・平等であ
り、国家権力もこれを侵すことができないものとして憲
法上認められた個人の権利であり、近代憲法の不可欠な
要素である。そして第三に、権力分立の原則である。こ
れは国家権力の集中を排除するために権力を分け、その
権力を各々別の者に委ねることにより国民の権利・自由
を擁護しようとするものである。
このような近代憲法を成立させた自由国家では、可能
な限り国民の自由に干渉しないとする消極的機能が期待
されていたが、十九世紀後半から、消極的な自由国家の
機能では深刻化する社会問題に対応することが...