精神保健福祉士養成通信課程のレポート課題です。
科目名「精神保健福祉に関する制度とサービス」
学習のポイント
①精神障害者の相談援助活動と法とのかかわりについて理解する。
②精神障害者の支援に関連する制度及び福祉サービスの知識と支援内容について理解する。
③精神障害者の支援において関わる施設、団体、関連機関など、更生保護制度と医療観察法、社会資源の調整・開発に関わる社会調査の概要と活用について基礎的な知識を理解する。
<参考文献>
・新・精神保健福祉士養成講座 第6巻「精神保健福祉士に関する制度とサービス」第4版、中央法規出版
日本における「精神障害者」施策は、精神病監護法から始まり、精神病院法が加わり、第二次世界大戦後に精神衛生法から精神保健法へと展開されてきた。その後、精神保健福祉法へと展開されることで今日の精神保健福祉施策が整備される基盤が形成されてきた。本稿では、精神保健福祉法成立までの経緯を振り返り、精神保健福祉法成立の意義について考えたい。
日本の明治初期は、精神病の治療はそのほとんどを加持祈祷に頼っており、精神病者の大半は在宅生活で、私宅に監護されていた人も多かった。当時の日本は、西欧諸国に追いつくために、富国強兵や殖産興業政策など近代化を進めていたため、政府は治安維持や社会防衛の観点から精神障害者の存在を妨げと捉え、厳しく彼らを取り締まり、社会から排除する動きを取った。しかし、相馬事件(1984)をきっかけに、1900年日本初の精神病者に関する法律である精神病者監護法が制定された。同法は、精神病者を監置できるのは、行政庁の許可を得た監護義務者のみとし、監護義務者による私宅監護を認めたものであった。しかし、医療保護の面では不十分であり、社会防衛的側面が強い点が課題であった。
1917年に行...