近代市民法(近代市民社会法)の修正について具体例をあげて述べなさい。──に役立つと思います。
『法学』(A01A)<課題 1> 教科書執筆者:眞田 芳憲
「近代市民法の原理について述べた上で、それがその後どのように修正されたについて論
じなさい。」
日本には明治時代を迎えるまで私法法典は
存在せず、入ってからも、重要な私法事項は
太政官布告などによって規制されていた。特
に民事裁判については、太政官布告「裁判事
務心得」により成文法が存在しない場合、習
慣や条理を推考して判断することが示され、
法規の不備を補っていた。その後、日本は民
法典の編纂に着手し、フランス民法典等を参
考にいわゆる旧民法ができた。さらに数年後、
旧民法はドイツ民法の影響を受け編纂され、
私有財産制度が明記された近代的な体裁の現
行 民 法 が 施 行 さ れ た 。
まず、旧民法が範とした近代市民法の起源
であるフランス民法典の原理とその修正を市
民革命前後からみていく。近代市民法とは、
封建的・絶対主義的国家体制を解体して近代
的市民社会を目指す革命(市民革命)以降に
施行された法律のことである。ここで言う市
民とは、自由と平等の担い手であり独立した
個人を...