2014年に提出しA判定をいただきました。リポート作成の参考にしていただけば幸いです。
ジョン=ロックにおける子どもの教育論、特に習慣形成や賞罰法を中心に述べよ。
1. ジョン=ロックの教育論(ロックの考え方、子どもの捉え方)
ロックは1632年、イングランド西南部サマセットシャーでジェントリの家に生まれる。職業は医師、1688年の名誉革命の翌年亡命していたオランダからイングランドに帰国する。その時『権利章典』の作成に協力する。著作は『寛容に関する書簡』、『人間知性論』、『統治論二編(市民政府二論)』、『教育に関する考察』がある。
ロックの持つ根本の教育観念はタブラ・ラサ(精神白紙説)である。タブラ・ラサとは、心の中には生まれながらにして刻みつけられた観念や原理などは無いという考えのことである。子どもは生まれたときはまだ何の観念も持っておらず、教育によって理性的な人間になれると説いた。また、その教育方法とは、当時ごく当たり前のように行なわれていた体罰を許さず、子どもの精神的な尺度で自発的に学習させる教育方法であった。
「そこで、心は、言ってみれば文字を全く欠いた白紙で、観念は少しもないと想定しよう。どのようにして心は観念を備えるようになるのだろう。・・・(省略)、私は一...