慶應大学通信教育学部・経済学部の会計学の評価Aのレポートです。設問 中世より近代にいたる会計の歴史的な変遷について
、とりわけ損益計算の変遷を中心に論じなさい。
会計学
はじめに
中世から近代にいたる損益計算の大きな変遷としては、まず、具体的な計算手段に着目すると中世において複式簿記と期間計算が登場し、近世には貸借対照表と損益計算書、資金計算書の登場が挙げられ、損益計算の方法も、ストックによる損益計算から、フローによる損益計算、キャッシュ・フローによる損益計算へと計算方法が変遷してきた。また、それにより費用と収益の認識も現金主義から発生主義へと変遷している。ここでは、まず中世における複式簿記と期間計算の登場とその意義を述べ、その次にストックからフローへの計算の変遷を述べる。最後に近代における貸借対照表と損益計算書、資金計算書の登場と現金主義から発生主義への変遷を述べることにする。
複式簿記の登場とその意義
複式簿記の特徴としては、取引を一方の財産の増加と、別の財産の減少という二面性を記すことが挙げられる。例えば、建物を売り上げて現金を得た取引があった場合には、建物という財産は減少するが、現金という財産は増加するので、複式簿記には、現金の増加分が借方に建物の減少分が貸方に記載される...