(所見)設題の主旨を的確にとらえ、内容がよく整理されたレポートとなっています。
総評 設題の理解:2
教育相談の開発的機能について解説し、教育現場においてどのように生かせばよいかを具体的に述べなさい。
教育相談とは、一人ひとりの子どもの教育上の諸問題について、本人またはその親や教師などに助言、指導、そして場合によってはカウンセリングを行うことである。このような働きかけを通して、子どものもつ悩みや問題の解決を援助し、さらにはその子どもの望ましいあり方や人格の成長をめざしていく。
「教育相談とは」と聞かれたとき、一般的には精神的あるいは適応上の問題をもった子どもの不安や苦悩の解決を援助する消極的な側面を担う機能であると理解する人が多い。しかし、教育相談は子ども一人ひとりの人格を望ましい方向に伸ばすための積極的な側面もあり、人間関係を豊かにさせる重要な機能を併せ持つと考えられる。
このような教育相談の役割を分析して、さらに三つの機能に分けることができる。そのうちの二つは、不適応や問題が生じる可能性そのものを小さくする「開発的な機能」と教育相談の姿勢と技法を活かし、子どもが安心した心を回復できるように援助する「予防的な機能」と呼ばれるものである。これらは、教育相談において主に積極的な指導を...