ヘルバルトの五段階教授法とデューイの問題解決学習を対比しながらそれぞれの概要を紹介するとともに、各々の特徴、問題点について論述せよ。
ドイツの教育学の創始者であるヘルバルトは、一斉授業の普及と制度化を行った。「教育の基礎を倫理学と心理学におく」と言い、教育の目的は倫理学、教育の方法は心理学によって示されるとした。ヘルバルトは、教育目的を実現する教育作用の三部門として管理・訓練・教授という三つの機能を提示した。管理とは、子どもの欲望を統制し、教育活動の前提となる秩序を維持する機能である。訓練は、子どもの心情に訴えて意思を形成する機能であり、教授は教材を介して、知識を伝達し習得させる機能である。このうち管理は、訓練や教授の予備段階であり、管理が行われ、訓練と教授を両輪にすることで教育活動は進めることができるのである。
教授の基本過程は、子どもの認識過程に対応する明瞭・連合・系統・方法という四段階からなる。これを四段階教授法と呼び、これをもとにツィラーやラインによって五段階教授法へと発展した。改められた五段階教授法は、予備・提示・比較・総括・応用の五段階からなるものである。予備とは教師が授...