佛教大学通信課程の高等学校地理歴史、中学校社会課程、西洋の歴史(Q0103)第2設題のリポートです。
テキスト『多神教と一神教』について
古代地中海世界の多神教そして一神教の成り立ちや変化、後世への影響について、歴史的背景を意識しながら論じなさい。
Q0103 西洋の歴史 第 2 設題
(1)
テ キスト 『多 神教と 一神教 』につ いて
古代地中海世界の多神教そして一神教の成り立ちや変化、後世への影響
に ついて 、歴 史的背 景を意 識しな がら論 じな さい。
1. 多 神 教の成 り立ち
古代ローマの地方都市ポンペイの街の一角を歩くだけでも、いたると
ころに神々があふれていた。壮麗な神殿のなかだけでなくても道路に立
てば辻神に出会う。それらの神々は、いわば小さな町域の守護神として
あがめられていたのである。それぞれの家々には家の守護神ラレースと
先祖の霊が祭られている。神殿の形をした神棚があった。それとともに
人々はさまざまな神々の小像を並べて祈り続けた。とりわけ、伝説上の
ポンペイの創設者ヘラクレス、熱狂の酒神バッカス、美と豊穣の女神ウ
ェヌスに祈願する人々は跡を絶たなかった。このように、古代地中海世
界の生活の中にはいたるところに神々が姿を見せる多神教であった。
多くの神が存在するという考えに至ったのは、人間に畏怖という感情
が生まれたからとされる。自然の天変地異と人間の死は、畏怖とい...